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“普通の人” らしく、いきてく。/宮川町 小扇

京都で活躍する女性が気になるものをリアルな目線でお伝えするコラム「・・・らしく、いきてく。」

第5回目は、京都五花街のひとつ宮川町で芸妓として活躍されている小扇さん。小扇さんにとっての「・・・らしさ」についてお話をうかがい、ラクエでおすすめのお店「進々堂」を編集部と一緒に訪問します。


私にとっての・・・らしさとは、“普通”らしさ。

このコラムのお話をいただいてから、「・・・らしく」についてしばらく悩んでいました。

ある日、着物を着ている時に、“日本人”らしく、や“芸妓”らしく、という言葉が浮かんだのですが、もう少しよく考えてみるとそうではなく、私が大切にしたいのは“普通”らしさだと思いました。

芸妓という職業柄、どうしても浮世離れしていると思われがちで、よく質問されることがあります。例えば、「和食しか食べなさそうですね」や、「休みの日はジーパンとか履くこともあるんですか」など。

そんなことはなく私は普通で、和食はもちろんいただきますが、インドカレーやタコスもいただきますし、休みの日は洋服で過ごしています。

“普通”らしさを大切に、日々芸事に励み、花街だけでなく色々な世界の方と出会い、見聞を広げていきたい。

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編集部:“普通”という感覚は人それぞれ異なり幅が広いと思いますが、生活の中で「“普通”らしさ」を意識する瞬間はありますか。

小扇さん:あまりおへんどすね。お座敷とそれ以外のプライベートのオンオフを分ける方もいらっしゃいますが、私の場合、いい意味で区別しないようにしています。

編集部:1日を通じて、同じ小扇さんでいるということでしょうか。

小扇さん:そうどすね。今では仕事になっている芸事にしても、祖母と母が若柳流の師匠で、子どもの頃から舞を習っていたので、生活の一部という感覚どす。

編集部:幼い頃から芸事を続けてきた小扇さんが、舞妓になろうと決めた理由は何ですか。

小扇さん:祖母が大阪の花街におりましたので、その世界には昔から親しみがおした。自分の進路を考えた時に芸事を続けたいと思ったのんどすが、伝統芸能をする人が減っているので、お師匠さんのようになるのはなかなか難しい。それならば舞妓から芸妓になるのが一番いい、という答えが出ました。

編集部:実際になってみてどうでしたか。

小扇さん:もちろん厳しい世界どすし、辞めたいと思ったことは何度もおす。ですが今も芸事を続けていられることが何より嬉しいおすし、舞台に立つことも好きどす。仕事を通じて色々な方にお会いできることも楽しおすね。

編集部:芸事で一番好きなのは、やはり舞ですか。

小扇さん:そうではなく、お三味線なんどす。舞妓になるとまず、長唄、舞、お茶、お囃子を必修で習うのんどすが、そこで初めてお三味線を弾かしていただいて、音の出るものが好きだということがわかりました。

編集部:舞妓から芸妓になった時、何か変化はありましたか。

小扇さん:舞妓は格好だけで可愛いらしいと言うていただけますし、「成長し、磨かれていく」という可能性が美しいのんどすが、芸妓は中身で勝負、できて当たり前。実績が大切なので、全く違いますね。

それから、芸妓になって独り立ちした時に、今まで舞妓としてずっと狭い世界で過ごしてきたことに気付きました。出身は奈良で京都に知り合いも全然おへんどしたので、これあかんと思い、休みの日に色んな場所に出掛けて行ってお友達を作るようになったんです。

編集部:行動力がありますね。その時はもちろん、普段着の小扇さんですよね。

小扇さん:そうですね。芸妓の時もそれ以外も、色々な世界を行き来しているのですが、全て人生を楽しむ同じ1人の私であって、いつも普通の私でいたいなと思います。

ラクエの10年、私の10年。

編集部:ラクエはこの11月でちょうど10周年を迎えます。これからの10年はどんな場所であって欲しいですか。

小扇さん:まずは10周年、おめでとうさんどす。

クエには休みの時にリフレッシュするために寄せてもうたりするんどすが、百貨店とは違う気軽さがある所が好きですね。京都にちょうどいい大きさやと思いますし、これからも地元に根付いた、気軽に来られる場所であってほしいですね。

編集部:小扇さんの10年はいかがですか。また、花街についてはどう思われますか。

小扇さん:私自身は、芸妓を軸にしながら今までできなかった新しいことも始めてみたいと考えています。やはり芸事が好きどすし、芸を披露する機会が増えるとうれしおす。伝統芸能を広める活動にも参加していきたいですね。

花街に関してですが、今は新型コロナの影響で、一時増えていたインバウンドなどのお客様が少なくなり、昔からいらっしゃるお茶屋のお客様が戻られた感じがあります。苦しい時にも支えていただいて、大変感謝しています。

これからの10年を考えると、私たち芸舞妓も、お客様も変化して行くのだろうと思います。最近では、女子会やご家族の会に呼んでいただくことも増えています。新しい層のお客様と接することで、芸舞妓のことをもっと知っていただけたらうれしおす。


小扇 × 進々堂

編集部: 続いては、小扇さんとベーカリーショップ「進々堂」を訪問します。スタッフの方から進々堂の歴史やおすすめのパンを紹介していただきたいと思います。

注)現在店内ではスタッフはマスクを着けて接客を行なっております。

担当スタッフ:担当スタッフ:進々堂は1913年に創業者である続木 斉とその妻ハナが、左京区旧三高東側に開業しました。その後1920年に寺町工場があった寺町竹屋町に移りました。「お客様の命の糧になるパン、まじりけのないパンを造りたい。」そんな願いで、バゲット、食パンなど毎日の食事と一緒に召し上がっていただけるパンに力を入れています。

小扇さん:私はパンが大好きなので、進々堂さんは京都で暮らし始めた頃からずっと寄せてもうてます。

担当スタッフ:ありがとうございます。お店の商品でまずおすすめしたいのがレトロバゲット“1924”です。フランス産小麦を使い、表面カリッと中はふわっと、舌触り良く仕上げました。バゲットの袋に書かれている1924年というのは続木が日本人として初めてフランスにパン留学に行った年です。本場のフランスパンに感動した続木は、それを京都で再現したいという希望を持って帰国しました。試行錯誤を経て完成したレトロバゲットは、そんな続木の熱い思いが込められたパンです。

レトロバゲット以外のバゲットとバタールも同様にこだわりを持って作っています。ご家庭やレストランなどでも利用していただいています。

担当スタッフ:次のおすすめは食パンです。こちらのお店では常時11種類の食パンを取り揃えております。

小扇さん:食パンではパン・ド・ミをよくいただいています。特に薄く切ったものが好きで、サンドイッチやピザトーストを作ったり、目玉焼きを乗せて食べたりするのも美味しおす。

担当スタッフ:パン・ド・ミは特にご好評いただいております。山型の食パンで、バゲットと同じ小麦粉を使用しているので外はカリっと中はもちっとした食感で、他の食パン比べるとさくさくしています。

小麦本来の美味しさを味わっていただける醍醐味もパン・ド・ミと並んで人気がありますね。


担当スタッフ:その他、味がシンプルでサンドイッチなどにも使いやすいプリミエール。生クリームを練り込んだミルク感豊かなエンゼルゴールド。フレッシュバターを使用し、リッチな食感を楽しめるウィンザーなどがあります。また、全粒粉を75%使用したコンブレは健康思考のお客様などにお買い求めいただいています。


小扇さん:どれも美味しそうどすね。コンブレが気になります。カリッとよく焼いて食べてみとおす。調理パンや菓子パンもお稽古の合間に食べやすいので、よくよばれてます。季節限定のパンなど、色々な種類を作ってはりますね。

担当スタッフ:季節のパンは1年を通じて販売しています。今は栗などの秋の素材を使用したパンですが(取材時)、11月は半ばからクリスマスに合わせたパンが並びますよ。中でもシュトーレンがおすすめです。


担当スタッフ:季節に関係なく定番でおすすめのパンが、クロワッサン・オ・ブールとクラシックとパン・オ・レザン、パン・オ・ショコラ クラシックの3種類です。

クロワッサンは発酵バターを使用し、サクサクの食感とバターの風味が特徴です。パン・オ・レザンはカスタード入りのアーモンドクリームにラムレーズンがたっぷり入っています。パン・オ・ショコラは3年ほど前にできた新しい商品です。昨年リニューアルし、発酵バターを使った生地と相性の良いチョコレートを使用しています。


編集部:どれも美味しそうでお腹が空いてきましたね。それではそろそろ小扇さんが選ぶ逸品の紹介をお願いします。

小扇さん:いつもいただいているパン・ド・ミと、パン・オ・ショコラ クラシックを選びます。こちらのお店はイートインスペースもありますし、コーヒーをパン・オ・ショコラ一緒にいただくのが美味しそうですね。

写真手前:パン・オ・ショコラ クラシック

写真奥:パン・ド・ミ

※商品の在庫については店舗までお問い合わせください。


インタヴュアー:地野 裕子 / ルゥルゥ商會

ライター:澤田香織 / YEBISU DESIGN

写真:本多輝正 / LOODY



-編集後記-

今では京都、そして日本の代表として世界に伝統芸能を披露する立場にある小扇さんですが、休日の時も全てを含めて”普通”である自身を大切にしたいという話が印象的でした。そういった一面を知ることで、私たちも芸舞妓の世界や伝統芸能が特別なものではなく、まず興味を持つことや、もっと“普通の暮らし”の中に感じられることに繋がっていくのではないでしょうか。


今回小扇さんに紹介していただいたお店

進々堂

パンとサンドウィッチを中心としたセルフ方式のカフェベーカリー!モーニング、ランチメニューはパンを中心としたメニュー構成。また、イートインとしての利用も可能!ホットコーヒーはお替りが150円でご利用いただけます。

パンを使用したレシピページ:http://www.shinshindo.jp/recipe


フロア/B1F

業種/ベーカリー&カフェ

TEL/075-257-7726

営業時間/

※コロナウイルスの影響を踏まえて2020年10月31日は下記にて営業いたします モーニング:8:30~11:00 11:00~19:30(メニューラストオーダー:16:00)


※11月1日より以下に変更いたします。

モーニング:8:30~11:00 11:00~20:30(メニューラストオーダー:16:00)

URhttp://shinshindo.jp/

ラクエショップページ:http://laque.jp/shops/sinsindo.html


宮川町 芸妓 小扇(こせん)さん

2001年、京都五花街のひとつ宮川町にて舞妓としてお披露目。 2005年、芸妓に襟替え。

日本舞踊若柳流五世宗家家元 若柳吉蔵、 長唄今藤流四世家元 今藤長十郎、 清元高輪派 清元志寿子太夫、 小唄柳派 柳古美糸乃、 鳴物六郷流 六郷新之助、 笛藤舎流 藤舎名生 に師事。

宮川町春の京おどり、秋のみずゑ會、五花街合同公演等で活躍の他、パリ、シンガポール、バンコクなどで古典芸能を披露。日本文化を海外に広める活動にも取り組んでいる。

2006年、京都五花街に入り込み撮影されたドキュメンタリーフィルム、「はんなり」に出演。

2019年、太田胃散のポスターに起用される。


--------------------------------------------------------------- ラクエ公式ホームページ http://laque.jp/ ---------------------------------------------------------------

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「らしく、いきてく。」