検索
  • LAQUE 10th anniversary

My Tracks /太田梨紗子

京都を舞台に活躍する女性たちの軌跡 (Tracks)

そしてこれから

京都の街を素敵に活きる女性にフォーカスする "My Tracks"。今回は現在大学院の博士課程在学中で日本美術史や映画衣装について研究している太田梨紗子さんの軌跡とこれからの話を伺い、ラクエ3階のヘアサロン「k-two kyoto emu 」を編集部と訪問します。


常識に囚われず生きた、過去の表現者たちの存在を届けるために

「昔の女性の日本画家っていうの、あんまり聞かないねぇ」

何気ない会話の中で、この言葉を聞いたとき、私は衝撃を受けた。


上村松園を筆頭に、近代では梶原緋佐子、前田玉英、江戸時代では池玉蘭、太田垣連月……と他にも、大勢の女性画家がこの京都で活躍していた。彼女たちはもちろん生前名を馳せていたし、いずれも実力揃いだ。私は大学院の博士課程で日本美術史を研究している。彼女らのことは勉強する中で知った。専門分野の伊藤若冲は生涯妻を持たず、甲斐荘楠音は男女問わず人を愛した。彼らもまた、近年の研究によって歴史の波間から呼び起こされるまで、知る人ぞ知る存在だった。しかし、ここに綴った画家たちは確かに京都にいて、自らの才能をふるっていたのだ。それでもその仕事を拾い上げる人がいなければ、時のよどみの中に埋もれたままだった。画家や作品に言葉が与えられなければ、その存在は簡単になかったことにされる。まるっと消えるのだ。そこに言葉を与えるのが美術史という学問だ。


彼ら彼女らを研究で紹介することが、今の常識に疑問を持つ人たちの「自分は一人ではない」という光にでもなれたら、願ったりかなったりだ。と思いながら、今日も美術館で一枚の絵に一時間は貼りつき、図書館で数百年前の本に目を通し、徹夜で論文を書き、眠い目をこすりながらスーツ姿で学会発表をする。それが研究者(の卵)としての仕事だ。


(⽂:太田 梨紗子)


-----------------


<インタビュー>


編集部:大学での専門分野は伊藤若冲の研究をされているとのことですが、若冲との出会いのきっかけはどのようなことでしたか。


太田さん:高校生の頃です。家業の方で、職人さんが伊藤若冲をイメージしたお菓子を作るということがありました。そこで作られたお菓子を見て、派手さに驚きました。当時は日本画というと地味で大人しいモノクロのイメージがあったので、こんな派手な絵を描く人がいるのだと衝撃を受けたのが始まりです。


美術と歴史が好きだったので大学では美術史を専攻しました。大学2年生から伊藤若冲を専門とし、これまで10年近く研究し続けています。こまで最初から一人の画家を追いかけるのは珍しいかもしれません。


編集部:専門を変えたいと思ったことはないのですか。


太田さん:研究して掘り下げていくとかえって内容が広がっていき、もっと知りたくなります。学士、修士、そして今もテーマは伊藤若冲です。彼の作品には友禅染や西陣織漆とのかかわりが指摘され、絵画と工芸の間にいるような珍しい画家ですが、そこがあまり研究されていないのです。私にとって京都は芸術の町というより工芸の町のイメージが強いので、なぜ絵画・彫刻・建築面ばかりが表に出て工芸の面がフォーカスされないのか。 その点を探り続け、気付けば年月が経っていました。


編集部:太田さんは歴史ある京菓子屋に生まれ、幼い頃から日本や京都の文化にたくさん触れて来られたと思いますが、その中で「これだ!」と感じたのが伊藤若冲だったのですね。


太田さん:そういった環境に生まれ育ったので、逆に日本文化にはあまり興味がなく、欧米の文化が大好きでした。高校生の時は部屋に洋楽のCDを並べて海外ドラマばかりを見て、海外への憧れが強かったのですが、若冲の作品は日本のステレオタイプの一つから外れていると感じ、惹きつけられました。


最近気付いたことなのですが、例えば京都の人は和のものより、特にフランスなど洋のものが好きな傾向にあると思います。それは江戸時代も同じでした。今の欧米文化に当たるものは中国文化です。海を渡ってきた文物は唐物と呼ばれ、とても人気がありました。当時の日本は鎖国中で海外に行くことはできなかったので、最新の情報が入ってくると皆が飛びつき、歌舞伎の演目に取り入れられたりしていました。人々が非日常に惹かれる気持ちは今も昔も変わりません。若冲は京都の青物問屋の跡取りとして街中で生まれ育ったシティボーイのような人です。その中で、彼の描く絵は舶来の絵画を意識した海外的なものでした。つまり日本的なものというよりかは、海外っぽい絵を描いていたような人でした。当時の人から人気が高かった理由ですね。


編集部:副専門の甲斐荘楠音(かいのしょう ただおと)はどの様な画家でしょうか。


太田さん:超メジャーな伊藤若冲と比較をすると、甲斐荘楠音はコアな人気が高い印象です。20歳くらいの時、京都国立近代美術館の常設展に行った時に初めて作品を目にしました。以前に岩井志麻子著の小説『ぼっけえ、きょうてえ』を読んでおり、その表紙も甲斐荘楠音だったので興味を持ち調べると、またしても京都の家に生まれ育った人でした(笑)。しかも彼の好きな画家はレオナルド・ダ・ヴィンチ(笑)。1894年に生まれ、1978年に亡くなるまでの人生の中で、人間のありのままを捉えた生々しい絵を描いたり、時代劇映画の衣裳考証を手掛け、溝口健二監督の映画『雨月物語』(1953年公開)では、米アカデミー・衣装デザイン賞にノミネートされたりと多才で、私生活ではバイセクシャルでもありました。


伊藤若冲と甲斐荘楠音。この二人の共通点は、京都で生まれ育ち、京都からあまり出なかったということです。「京都人」といえば、現在だと”楚々としてたおやかで腹黒い”、でしょうか(笑)。その様なイメージを周りが持ち、いつの間にかそれらしく振る舞っていることがあるように思います。江戸時代の文献も既に「京都の人は〜」という記述があるくらいなんですよ。


二人は人々の常識にとらわれず、外国文化のイメージを上手く使って新奇的な派手さや生々しさを大胆に表現したという点に面白さがあります。伊藤若冲は「孤高の画家」と言われたりすることがありますが、そんなことはなく、寄り合いに参加するような普通の京都のおじさんでした。


編集部:研究してみないと、分からないことばかりですね。コラムにある上村松園(うえむら しょうえん)のような女性画家たちもそうでしょうか。


太田さん:女性の画家たちについては、生前に評価をされていた人も多いのですが、研究はあまりされていませんでした。研究者に男性が多いことも理由の一つとしてあり、これまで男性の研究者は女性を研究対象にすることが少なかったのです。最近は変わってきて、男性研究者がこれまでスポットライトが当たらなかった女性画家についての論文を出しています。このように、社会問題と美術史は連動しています。まさに今起こっているジェンダーや多様性の問題と研究は関わっているのです。例えば、美人画の研究は多いけれど、逆に男性を描いた絵はどういったものがあるだろうと、女性の学芸員の方が試みたりするような流れがあります。


女性の作家については資料を調べてみると、今と同じ問題を抱えていることがわかります。例えば、漢詩文を作るにしても「何故こんな男性的なものを作るんだ、女性らしくない」と批判されたりしています。「女らしさ」に縛られてしまうんですね。


編集部:今と同じ問題が過去にもあったという事実を知ることは大切ですね。


太田さん:伊藤若冲や甲斐荘楠音、そして過去の女性たちにも、多様な生き方を送り、または周りからの偏見を乗り越えて表現した人たちが存在した。これまでの評価のあるなしに関わらず、その様に生きた人がいる事実が、今を生きる私たちにとってとてもポジティブなことになるのではないでしょうか。その事実を伝えていきたいと、日々研究を続けています。


太田 梨紗子 × k-two kyoto emu

ラクエ3F ヘアサロンの「k-two kyoto emu」を訪問。サロンおすすめのヘアエステを体験します。

注)現在店内ではスタッフはマスクを着けて接客を行なっております。


太田さん:本日はよろしくお願いいたします。今回はヘアトリートメントの施術をしていただけるということですが、メニューについて詳しく教えてください。


スタッフ:今回はk-two kyoto emuおすすめの「プレミアムアクア」というヘアエステを体験していただきます。現在、私たちのサロンをはじめ多くのサロンで提供している「サイエンスアクア」という、特殊なアルカリ電解水を使い、髪に必要な脂質系アミノ酸を内部まで浸透させ閉じ込めるメニューがあるのですが、「プレミアムアクア」はさらに他のトリートメント成分を独自に組み合わせた、酸を使わない髪質改善トリートメントです。潤いやツヤの持続力が高いことが特徴です。

太田:髪のパサつきが気になるので、施術後が楽しみです。


スタッフ:太田さんは普段、何かヘアケアはされていますか?


太田さん:いえ、特に…。コロナ渦をきっかけに美容に熱心になり始めたので、見習わなきゃと思ってました (笑)。


スタッフ:新型コロナの影響で外出しにくい分、お肌など体の素の部分のケアがしやすいですよね。お風呂の間だけでもケアを取り入れてみると、すごく変わりますよ。


それでは早速施術を始めましょう。



スタッフ:手順としては、まず髪の毛に特殊なアルカリ性の電解水を塗布し、水分を与えていきます。次に油分であるトリートメントで蓋をして、専用のアイロンで優しく熱を加えて乳化させます。その後シャンプーで洗ってドライヤーで乾かし、再びアイロンを当てて仕上げると、よく写真で見る「ツヤツヤ」の髪になりますよ。

スタッフ:油分であるトリートメントは、「Amatora」のケア剤を使っています。通常のアクアの技術中に数種類のトリートメントをどんどん塗り込んでいきます。長く美髪を保つためにご使用いただくトリートメント剤もあります。


トリートメントを塗り込んだ後はアイロンを当てます。温度は180℃ですが、保護用のゴムを付けており、特殊な当て方をするので、髪に負担をかけません。これにより水分と油分を馴染ませます。

スタッフ:水分と油分をしっかり髪に馴染ませたら、シャンプーで汚れを洗い流します。


k-two kyoto emuではシャンプーが含まれる全てのメニューに“美髪ケア”をお付けしています。「頭皮クレンジング」「頭皮ケア」「残留アルカリ除去」を行い、頭皮環境の健康を保つためのケアです。頭皮はお顔と一緒で色んな汚れがついているので、まずはオイルクレンジングと湯洗いでしっかり取り除きます。シャンプーは、マッサージシャンプーと言われる技術を採用しております。ゴシゴシ洗って汚れを取るのではなく、逆に栄養を与え、さらにマッサージをすることによりリラックス効果もあります。

太田さん:ふわふわと撫でる様に髪を洗うのですね。シャンプーはいい香りがします。


スタッフ:シャンプーも先ほど使用したトリートメントと同じ「Amatora」のものです。アーユルベーダーを採り入れたリラックス効果のあるもので、お客様のなりたい髪質に合わせ、10種類以上のご用意があります。

スタッフ:シャンプーをしながら頭皮もマッサージしていきます。頭皮にはツボが集まっていて、体のマッサージより頭皮のマッサージをする方が、全身リラックスできると言われています。太田さんは耳の後ろが凝っているので、眼精疲労が溜まっているようですね。


太田さん:そうですね。いつも本ばかり読んでいますので、目は疲れていると思います。

スタッフ:髪を洗った後はドライヤーで乾かし、再びアイロンを当てます。最後に保湿効果のあるスタイリング剤をつけて完成です。


長時間、おつかれさまでした!




施術前(左)と後(右)。※スマホの場合は上下


太田さん:髪の毛のパサつきがなくなり、ツヤツヤになりました!そして軽い仕上がりですね。この効果は1ヶ月くらい持続するのでしょうか?


スタッフ:最初の3回は、各回1ヶ月以内にお越しいただくのがおすすめです。その後はもう少し間隔を空けていただいても大丈夫です。

サロンにはカットやカラーなどとは別にヘアエステだけで来られるお客様もいらっしゃいます。私たちスタッフもお客様の髪が綺麗になって行く様子を一緒に見て、喜んでいるんですよ。

太田さんはもともと綺麗な髪質ですので、これを機にケアを続けてみてくださいね。



■ホームケアでおすすめしているデイリーケア商品

写真左から

アマトラ メゾフォルテ ヘアバス 〈シャンプー〉335ml 5280円

アマトラ メゾフォルテ スパマスク 〈トリートメント〉225g 5280円

アマトラ メゾフォルテ スカルプエステ 〈頭皮ケアシャンプー〉190g 6050円

アマトラ メゾフォルテ レスキューパック 〈トリートメント〉225g 5500円

参考URL https://amatoramf.jp/


プレミアムアクアをされてお客様へお持ち帰りいただいているホームケアトリートメント

アマトラ アフィア コネクト ファイブ〈トリートメント〉50g 1320円

※商品の詳細に関しては直接サロンまでお問い合わせ下さい。




インタヴュアー:地野 裕子 / ルゥルゥ商會

ライター:澤田香織 / YEBISU DESIGN

写真:本多輝正 / LOODY



 

太田さんに紹介していただいたお店

k-two kyoto emu 


2021年4月に烏丸エリアで人気のK-two KYOTOの2号店としてオープン。

「昨日より今日の自分を好きになる」が新店舗のコンセプト。少しの変化があなたの綺麗さアップへの近道でもあると教えてくれ、自分で気づいていない新たな魅力を引き出してくれるヘアーサロン「k-two kyoto emu」で期待以上の仕上がりを実感してください。


フロア:3F

業種:ヘアサロン

TEL :075-256-0055

営業時間 平日 10:30-20:30、土日祝 10:00-20:30

URL https://k-two.jp/salon/emu/

ラクエショップページ http://laque.jp/shops/k-two-emu.html



太田梨紗子(おおたりさこ)

神戸大学大学院人文学研究科 

博士課程 後期課程在籍。

日本美術史や映画衣装について研究。

主なテーマは京都画壇、伊藤若冲や甲斐荘楠音など。






閲覧数:321回0件のコメント

最新記事

すべて表示