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  • LAQUE 10th anniversary

My Tracks /SHOWKO

更新日:9月2日

京都を舞台に活躍する女性たちの軌跡 (Tracks)

そしてこれから

今年度より新しくスタートした "My Tracks"。今回は陶芸家のSHOWKOさんの軌跡とこれからについて話をうかがい、ラクエ地下1階のスイーツショップ「ARROW TREE KARASUMA」を編集部と訪問します。


時間や言葉を超えるものをつくりたい

 私は京都で代々陶磁器の茶道具を造る家に生まれました。兄弟に兄がおり、名前を継承する立場にはありませんでしたが、年頃になると「やはり手に職をつけたい」という気持ちが強くなり、家業と同じ「ものづくり」、それも陶磁器の素材を使う道を選ぶことになりました。それから2009年に「読む器」というコンセプトのブランド「SIONE(シオネ)」を立ち上げ、現在はそれに加え、「SHOWKO(ショウコ)」という名義で自身のアートワークも制作しています。


 先述のように、必ずしも「陶磁器」の素材を扱う必要が無かった私が、なぜこの素材を選んだのでしょうか。


 そもそも、歴史の教科書の1ページ目に登場する焼き物である縄文土器は約1万6000年前から約2300年前の縄文時代に作られたものです。そんな過去のものが、現在も存在していることに驚く人は多いでしょう。焼き物の破片を見た時、人は「これはいつ作られて、どの部分だったのだろうか」と想像します。しかし、現在つくられた焼き物が、この後数万年後もこの地球上に在り続けるとはあまり想像しないのではないでしょうか。そんな図らずも未来に残ってしまう素材を扱い、制作することに大きな責任を感じ、一方で未来へメッセージを送ることができる素材と向き合っているように思うのです。


 ここ一年と少し、新型コロナウイルスの影響で生活が激変し、不確実な未来を想像する中で、ふと不安に駆られてしまう方もいらっしゃることでしょう。しかし、例えば目の前にある大切な器が、自分の思い出を詰め込み未来へ残っていくとしたら。その壮大な時間軸を想像した時、それは一種の「心の拠り所」となり、目の前に改めて存在するのではないでしょうか。


 人の“今”を肯定し、遙か未来へ思いを馳せることが出来るもの。それを、自分で作り出したいと思い、自身のブランドとアートワークを日々制作しています。


(文:SHOWKO)

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<インタビュー>


編集部:焼き物の道に進むことを決めたのはいつですか?


SHOWKO:大学の就職活動の頃です。専攻は日本文学で、私には兄がおり家族も含め焼き物の道は考えていなかったのですが、何か手に職が欲しいという希望はありました。周りが次々と就職活動をしていく中、どうしようと悩んでいた時に友人の父からふと、「何故陶芸家にならないの?」と言われたことで、やはり陶芸をやりたいと思うようになりました。そこからが大変だったのですが(笑)。それから自分で調べ、佐賀県有田町の武雄で陶板に絵を描く師匠のもとで修行した後京都に戻り、2009年に新しい切り口で伝統的なものへの入り口を作ろうと「SIONE」を立ち上げました。


編集部:アートワークを制作されている「SHOWKO(ショウコ)」の最近の作品は、ゲストルームのアートを担当されたBnA Alter Museumでも展示をされていましたね。作品について教えてください。


SHOWKO:完成した器をわざと割って継いだ作品を制作しました。普通、割れているものを見ると、古いものかな?と思いますが、一部分はガラスで継がれているので、現代のものなのかな?と違和感が沸いてきます。その感覚を通じて時間軸を、今だけでなく昔から、そして遠く未来に繋がっていることを想像してもらいたいというものです。

※画像:展示作品の一部


編集部:コラムの中に「現在つくられた焼き物が、この後数万年後もこの地球上に在り続けるとはあまり想像しないのではないでしょうか。」と書かれていたことについて、確かにそうだと思いました。


SHOWKO:今もこうしてインタビューを受けていますが、ここに至るまでの間、皆さんがそれぞれ過去に色んな選択をしてこの瞬間を迎えていますよね。選ばなかった選択肢がたくさんあるということです。そして、これから先の未来にも選択肢がたくさんあるということです。割った陶器を継いだ作品も、同じ高さから器を落としても全く同じようには割れません。つまり、その周りにたくさんの可能性があったけれど、その中の一つの形となったということです。それを自分自身にも重ねてもらい、「あの時ああしておけばよかったな。」など後悔も含めて、見る人の“今”を肯定するものを作りたかったのです。

器だけでなく、器のある空間と次元も含めて、未来につなげていくという感覚です。S Fのような話ですが、私自身、S Fが大好きなんですよ(笑)。


編集部:「SIONE」ではどうでしょうか。

SHOWKO:「SIONE」は器ひとつひとつがモノガタリを持つ「読む器」がコンセプトです。日常で使う食器を通じ、器は先人からの手紙であり、また未来への手紙にもなることを感じてほしいです。


編集部:SHOWKOさんの作品を未来の人が見た時に伝えたいことは何でしょうか。


SHOWKO:この時代に豊かな文化があったということですね。季節ごとに使うものを変えていたんだな、など。今後ますます温暖化が進み、季節感を生活に取り入れることが減っているかもしれません。


編集部:京都で作品を作られることについてはどう思われていますか。


SHOWKO:京都は大文字山を登ったり、哲学の道を歩いたりすると、すぐに次元を超えられることが魅力ですね。手が届くところに色々なものがあってアイディアが沸きやすく、歴史も豊かで、沢山のことを学ぶことができます。今後も京都から、時代や言葉を超えてメッセージを伝えることが出来るよう、作品を育んでいきたいと思います。

※画像:BnA Alter Museum ゲストルーム


SHOWKO × ARROW TREE KARASUMA

地下1階にある「ARROW TREE KARASUMA」を訪問。店長さんからお店について紹介していただきます。


〜お子様からご年配まで、ラクエオープン以来愛され続けるスイーツ〜

SHOWKO :こちらのお店はカフェや、スイーツを手土産のお買い物で利用したことがあります。改めて、お店の特徴を教えてください。


店長:そうですね、果物問屋のプロデュースによるスイーツ店です。このボリュームでフルーツをケーキに使う店はなかなかないと思いますので、これが特徴です。

注)現在店内ではスタッフはマスクを着けて接客を行なっております。


SHOWKO:オススメの商品は何ですか。


店長:今の時季はマンゴーと桃です。果肉いっぱいのタルトケーキや、店内でパフェもお作りしています。冬場のおあまおうタルトは台を3種類用意し、ショーケースがイチゴでいっぱいになります。季節の果物を使った商品が多く、季節ごとの発売を楽しみにされているお客様も多いです。

SHOWKO:初めてタルトを見た時、フルーツの大きさに驚きました。手土産にするといつも喜ばれます。生クリームを使って、立体的になるように工夫されていますね。私も器を製作する立場から、器にのるものを想像しながら製作しています。


店長:生クリームは味にもこだわりがあります。質の良い北海道産のものを使い甘さ控え目。フルーツの味を引き立たせてくれます。ワインと一緒に召し上がられる方もいらっしゃいます。


SHOWKO: 常連のお客様も多そうですね。お店のオープンはいつですか?


店長:ラクエがオープンした時からで、10年前になります。ラクエは女性がターゲットの施設ですが、当店にはお子様からご年配の方まで、男女問わず色んなお客様がいらっしゃいます。男性1人でケーキやパフェを食べに来られることも多いです。


SHOWKO:店長さんがここを始められる前は何のお仕事をされていたのですか?


店長:グラフィックデザイナーをしていました。今でも少しやっています。

SHOWKO:全く違うことをされていたのですね。このお店を始めるにあたって、果物について何か勉強されたのですか?


店長:最初は市場にお世話になりました。それから独学と、農場に行ったり、お客様から教わったりして今では色々お答えできるようになりました。市場の方には3年くらい経つと感覚としてわかるようになってくると言われていました。


SHOWKO:果物の販売もされていますね。


店長:はい。例えばこのバナナ。少し値段は高価ですが、大変甘くもっちりとした食感で日持ちします。お客様にオススメすると「買ってみてよかった。」と言っていただけます。スイカは今の時季(取材時6月)は熊本県産のものを販売しています。これから産地が北に移っていき、特に私のオススメは鳥取県産です。


SHOWKO:それはぜひいただいてみたいです。この記事が公開する頃は販売されていそうですね。読者の皆様要チェックです!(笑)

SHOWKO:店内で気になったのが壁に飾られている絵です。


店長:これは著名デザイナーの手による作品です。その方のお孫さんが小学生だった頃、墨で書いた絵に色付けをし、詩をレイアウトした作品です。詩もお孫さん作です。入り口にあるパフェのポスターも同様です。


SHOWKO:迷いのない線で、とっても素敵です。

店長 :私がここを初めてから2回ほど店内をリニューアルしていて、日曜大工のような感じで自身で色々作ったりしています。中央にあるウンベラータという観葉植物も、地下の店舗にも関わらず立派に育ってくれているんですよ。


SHOWKO:店長さんの温かいお人柄が溢れるお店ですね。

店長 :本日SHOWKOさんにはオススメメニューのマンゴーのタルトとフレンチプレスのコーヒーのセットをご用意しましたので召し上がってください。プレス式で淹れるコーヒーは濃厚な味わいが楽しめます。

SHOWKO:プレス式コーヒーはカードにやり方が書いてあるのでやってみます。

タルトのマンゴーが蜜漬けのように甘いです。コーヒーにもよく合いますね。


店長:コーヒー豆の種類は大阪にあるコーヒー専門店「珈琲とJ I R O」さんに季節のメニューに合わせて選んでいただいています。今はエチオピアモカで、スペシャリティコーヒーを使用しています。ちなみに紅茶は「ムレスナティー」さんとコラボしてブレンドしたハーブティーを使用しています。


SHOWKO:ここは街中にあって仕事や買い物ついでに寄りやすいですし、私は小さい娘が2人いますので、また一緒に寄りたいと思います。

店長 :お子様に人気のメニューはチョコバナナパフェです。大人の方にはカフェ利用はもちろん、テイクアウトできるドリンクのアボカドバナナミルクなども人気ですよ。

これからは、桃の美味しい季節になります。果物としての桃に加え、店頭でお召し上がりいただけるパフェや、おうちでも楽しんでいただけるケーキなどラインナップも充実いたしますので、是非お立ち寄りくださいね。

※商品の詳細については店舗までお問い合わせください。


インタヴュアー:地野 裕子 / ルゥルゥ商會

ライター:澤田香織 / YEBISU DESIGN

写真:本多輝正 / LOODY





SHOWKOさんに紹介していただいたお店

アローツリー カラスマ 西宮青果卸売市場にて60年続く老舗の青果卸問屋がプロデュース。果物の文化をあらゆる形で世界中に発信し続けます。20代後半~40代の女性を中心とするターゲット層に、果物が主役のケーキ、ジュース、紅茶といった女性好みの食を提案します。「うれしいサプライズ」をテーマに、お客様に感動を与え続けます。

フロア:B1F

業種:フルーツ&カフェ

TEL:075-255-7212

営業時間:10:30~20:30

(営業時間の最新情報はSNS等をご確認ください。)


URL:http://arrow-tree.com/

ラクエショップページ:http://laque.jp/shops/arrowtree.html


株式会社スプリングショウ代表取締役 / SIONE主宰・陶芸家

SHOWKO(しょうこ)

京都出身。六代続く茶陶の窯元に生まれる。

佐賀での修行の後、2005年より陶板画作家として独特の技法で制作をはじめる。その後、グラフィックデザイナーとしての経験をもとに、器の可能性を探求。2009年に、自身のブランド「SIONE(シオネ)」を立ち上げ、法人化。

2016年に銀閣寺界隈にて、工房件ショップ&カフェをオープン。 陶板画制作やアートワークなどを通じて、もてなしの時間や空間を創造し、国内外で作品を発表している。


SIONE : https://sione.jp/

BnA Alter Museum:

https://bnaaltermuseum.com/rooms/2019-3019/

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SHOWKOさんが出演されたラジオも合わせてお楽しみください。

■7月30日(金)OA SHOWKO氏(陶磁器ブランド「SIONE(シオネ)」を主宰する陶芸家)最終回

ラジオアーカイブはこちら


α-STASION「ONE FINE DAY」11:00〜15:00内

毎週金曜日13:15~5/7~7/30


LAQUEが発信するメッセージ「らしく、いきてく。」をリアルに体現する素敵なゲストを招いて、彼女たちの「track(軌跡)と「track(一曲)」を紐解きます。

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