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“文化をつなぐ人” らしく、いきてく。/ルシール ・レイボーズ

最終更新: 2日前

京都で活躍する女性が気になるものをリアルな目線でお伝えするコラム「・・・らしく、いきてく。」

第三回目は、2013年より毎年京都で開催されているアートフェスティバル「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真展」の共同創設者/共同代表であり、写真家としても活躍されているルシール ・レイボーズさん。


ルシールさんにとっての「・・・らしさ」についてお話をうかがい、ラクエでおすすめのお店「石見銀山 言堂」を編集部と一緒に訪問します。


私にとっての・・・らしさとは、“文化をつなぐ人”らしさ。

“文化をつなぐ人” らしく、いきてく。

人生で大切にしていること。それは英語でいうと「トランス・カルチャー」や「クロス・オーバーカルチャー」です。

私はフランスで生まれ、アフリカで育ち、そして日本に暮らし、その中でたくさんの文化に触れてきました。それぞれは異なっても、一番大切な心はみな同じだと考えています。ですから、国の違いだけでなく、どんな文化でも、境目を越えて交流し互いの良さを理解できると思うのです。それを今、K Y O T O G R A P H I Eを通じて行っています。


これからも異なった世界をつなげ、そこから生まれる新しいエネルギーを伝えていきたいと思います。

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編集部:KYOTOGRAPHIEを通じ、京都から文化をつなげ、世界に発信するという取組を続けられているルシールさん。子どもの頃から多様な文化の中で育たれたそうですね。

ルシールさん:はい。私はフランスのリヨンで生まれ、西アフリカのマリとセネガルで育ちました。その後フランスに戻りましたが、18歳の頃に再びマリで暮らしました。西アフリカは私の故郷のひとつです。そのような暮らしの中で多くの文化に触れ、写真家の視点から異文化間のつながりを作る試みを始めました。

編集部:写真はどのようなきっかけで始められたのですか。

ルシールさん:実は子どもの頃、ミュージシャンになりたいと思っていました。サックスを吹いていて、ブラスバンドに所属したりしていました。ですが、私にはあまり才能がないと感じました(笑)。そんなある日、父親が私にカメラをプレゼントしてくれたのです。そこから写真の世界にのめり込みました。とてもシャイな性格だったので、カメラのファインダー、また出来上がった写真を通じて、色んな人とコミュニケーションを取れることに魅力を感じたのです。

ストリートやポートレートの撮影が好きでミュージシャンを撮るようになり、ブルーノートとの仕事を始めました。そして、坂本龍一さんとの仕事がきっかけで来日することになりました。これはとても自然な流れでした。

編集部:ミュージシャン志望であったとは驚きです。ご自身のコミュニケーションツールとしての写真が、アートとして文化をつなぐものになったのですね。今も何か撮られていますか。

ルシールさん:家族の写真をよく撮ります。子どもが2人いて、上の子は前パートナーのアフリカ、下の子は今の夫の日本のルーツを持っています。ファミリーフォトは大好きです。

最近では、新型コロナの影響で多くの行事が中止になっている中、上御霊神社で行われた特別な神事を撮影することができました。この作品は9月19日から始まるKYOTOGRAPHIEの期間中、メインの展示ではなく同時開催の形で、上御霊神社を会場にして展示されます。

編集部:それはぜひ拝見したいです。イベント開催に合わせて施設もオープンされるそうですね。


ルシールさん:「DELTA」という私たちのパーマネントスペースをオープンします。場所は鴨川デルタ近くにあり、ローカルの雰囲気に溢れ、素晴らしい場所である出町桝形商店街の中です。西洋と東洋、伝統と革新、ローカルとグローバルなど、様々な領域が交差するスペースを目指しています。

「DELTA」外観、内観


これからのラクエの10年、私の10年

編集部:ラクエは今年で10周年を迎えます。これからの10年、商業施設としてどんなものがあれば魅力的でしょうか。

ルシールさん: 新型コロナの影響は、私たちにローカルなものを大切にすることを教えてくれました。ラクエは大きすぎず程よいサイズ感の施設ですので、厳選された、日本に古くからあり未来に残すべきものが置かれているといいですね。

編集部:ルシールさんの10年はいかがですか。

ルシールさん:まずは皆さんの健康を願います。そして、古くから続く京都の文化やローカル経済を守り、いいエネルギーを持つ若者たちを支援し、今やっていることを大きくするのではなく、続けることを大切にしていきたいと考えています。


ルシール ・レイボーズ × 石見銀山 群言堂

編集部:続いてはルシールさんおすすめのラクエのお店「石見銀山 群言堂」を訪問し、スタッフの石井さんに店内を案内していただきます。

石井さん:群言堂の本社は、会長である松場大吉の故郷である島根県の石見銀山のふもとにあります。松場大吉は、妻の登美と共に、約30年前に群言堂を始めました。

「復古創新」の想いを大切に、島根県だけでなく日本全国の昔からある物を現代の生活様式に合うようにデザインしたものを販売しています。


ルシールさん:日本の伝統や工芸を大切にされていることに共感を覚えます。店内のおすすめ商品を教えていただけますか。

(注)現在店内ではスタッフはマスクを着けて接客を行なっております。


石井さん:おすすめのひとつは、マンガン絣を使用した洋服です。マンガン絣は大正時代に新潟で開発され、熟練の職人技が必要な技術なのですが、効率化を求める時代の中で縮小してしまいました。全国では今一社のみで生産されています。新潟地震が起こった際、生産を辞めるか否かの決断を迫られました。もしその生産者さんが廃業されてしまえば、日本からその技術や文化が失われてしまうことになります。そこで継続をお願いし、お取り扱いをさせていただいています。

ルシールさん:素晴らしい取り組みをされていますね。

石井さん:ありがとうございます。藍染の洋服やバッグなどの小物もおすすめです。20年来のお付き合いがある滋賀の工場をはじめ、静岡や広島にある工場にお願いし、日本の藍染の職人さんを守り文化を絶やさないよう、毎年新しい商品を作り続けています。

ルシールさん:日本の藍染は大好きです。このストールが素敵だと思いました。肌触りも良いですね。

石井さん:はい。とても柔らかいリネン100%の素材を使用しています。

ルシールさん:あと、棚の上にあるコクーンのような形をした和紙のランプもいいですね。こちらはどこで作られているのですか。ちょうど今、新しい家の和室の照明を探していたので、ぴったり似合いそうです。

石井さん:こちらは鳥取県で作られていて、立体型に和紙を漉くという大変貴重な技術を使っています。

ルシールさん:日本の和紙の技術は素晴らしいと思います。和紙の製品は帽子やマスクや靴下など、種類がたくさんあるのですね。ろうそくや草履などの雑貨もおもしろいですね。

石井さん:和紙の帽子は以前より取り扱いがあり、今年はその帽子屋さんに依頼してマスクを作っていただきました。さらっとした付け心地が人気です。

ろうそくは米ぬかや菜種油を原料に使用し、環境にも身体にもやさしい和ろうそくです。草履は天然素材の竹皮を使用し、屋内でも屋外でも気持ちよく履いていただけますよ。鼻緒の生地は群言堂オリジナルです。

編集部:日本に昔からあるものを大切にし、現代に使えるものに変換されている点は前回村上さんに紹介していただいた中川政七商店さんと共通していますね。

では、今回も最後にルシールさんが選ぶ逸品を紹介していただきましょう。


ルシールさん:藍染のストールと和紙の照明です。どちらもとても素敵で気に入りました。この後、購入して帰ります(笑)。


鳥取県 A O Y Aの立体漉き和紙ランプ

静岡県 インディゴ重ね染めストール


※商品の在庫については店舗までお問い合わせください。



インタヴュアー:地野 裕子/ ルゥルゥ商會

ライター:澤田香織 / YEBISU DESIGN 写真:本多輝正 / LOODY

-編集後記-

新型コロナの影響で9月19日に開催延期となった今年の「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真展」。生活が大きく変わった今の状況の中で、より多くのことを感じる展覧会になるのではないでしょうか。

ルシールさんは、ラクエでは国内外からセレクトしたモードなファッション雑貨、アートなインテリア小物を扱う「PLAIN PEOPLE」にもよく行かれるそうです。



今回ルシール・レイボーズさんに紹介していただいたお店


石見銀山 群言堂

「群言堂」のふるさとは、豊かな緑に囲まれた石見銀山のふもとの町、島根県大田市大森町。四季折々の暮らしの中で生まれた商品の数々は、こころとからだにやさしい天然素材のオリジナルウエアをはじめ、日々の暮らしに自然と寄り添う“愛用品”ばかりを取り揃えています。

フロア/2F 業種/レディス・生活雑貨

TEL/075-746-4466

営業時間/10:30〜20:30

※2020年8月31日現在時間短縮営業(10:30-19:30)しております。

URL:http://www.gungendo.co.jp/

ラクエショップページ:

http://laque.jp/shops/gungendo.html




「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真展」共同創設者 / 共同代表、写真家

Lucille Reyboz(ルシール・レイボーズ)さん

幼少期を過ごしたアフリカで写真を始める。1999年、坂本龍一のオペラ「Life」参加のために来日。ポートレート写真を得意とし、ブルーノートやヴァーヴといったレーベルのレコードジャケットの撮影を手がけた経験を持つ。アフリカと日本を拠点に、数々の展覧会で作品を発表。

主な個展に「Visa pour l’image」(2001)「Phillips de Pury in New York」(2007)、CHANEL NEXUSHALL(2011)などがある。『Batammaba』(Gallimard)『Sourse, Belles de Bamako』、平野啓一郎との共著『Impressions du Japon』(共にEditions de la Martinière)などの作品集を出す。2013年より仲西祐介と「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」を始める。今年度は2020年9月19日から10月18日まで開催。https://www.kyotographie.jp/ 


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ラクエ公式ホームページ http://laque.jp/

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「らしく、いきてく。」